ダディー

一年に二回ほど下着をまとめ買いします。
気に入っているお店が半年に一回ぐらいの割合でアウトレットセールをするからです。どの商品もほぼ半額になります。
そのお店の下着は色も豊富で、デザインもシンプルなものから凝ったもの、フリフリキラキラしていて可愛いものと色々あるので昔から愛用しています。
基本的に人に見せるモノではないし(まぁ、たまに見せることもあるけどさ)洋服を着てしまえば分からないと思ってるので、クローゼットの中はカラフルな下着ばかりです。
先週、体調をくずして会社を休んだ時の事です。
リビングのこたつでゴロゴロしながらふとベランダに目をやると、父が洗濯物の向きをかえたり、より太陽光線が当たるように干しているものを移動させたりしていました。その眼差しは真剣そのもので職人さんのようです。
父は定年してからずっとフリーダムな生活をしているので、洗濯物を取り込んで畳むという一連の作業担当者なのです。
「あぁお父さん、私のヒラヒラOPTはそんなに前面にだして太陽当てなくてもいいよ…」と声をかけたかったけど、団塊世代頑固一徹の父にそんなことを言おうものなら、途端にキゲンが悪くなるだろうしお腹痛いしダルイし眠いしzzzzやっぱいいや、と見てみぬフリをして寝ることにしました。
数時間後に目を覚ますと、父がリビングに正座して取り込んだ洗濯物をちょう丁寧に畳んでいました。
その眼差しもやはり職人さんのようです。
私の、見る人によっては若干攻撃的に感じるであろうOPTちゃんも、表情一つ変えず黙々と畳んでいます。前後の向きが分からない時は(後ろにリボンが付いているから)ちょっと首を傾けて考えています。時々OPTを摘み上げ「これリカオの?妹の?」と聞いては「うむ」とうなずき各自の洗濯物のシマに積み重ねていきます。そして私の部屋にそっと置いてくれるのです。
普段見慣れている姿ですが、改めて見ていたら急に胸がいっぱいになり、うおおおお!お父さんいつもありがとう!DA・I・SU・KIと思いました。
でもお腹痛いのでゴロゴロしているだけで手伝いませんでした。大変申し訳ございませんでした。